電子契約の導入
電子契約の導入を検討するのであれば、以下のように考えてはどうでしょうか。
1 電子契約と導入の目的
- 電子契約は、「●●@kk.com(の利用者)と、〇〇@kk.JP(の利用者)との間で契約が成立した。」ことを確認できるシステムです。
- メールを使って契約を締結させるシステムと理解してもらってもよいでしょう。
2 電子契約のメリット
- 郵送代・印紙代の節約、業務効率化、コンプラインアンスの強化、契約書の管理・保管の効率化ができると言われています。
- 郵送手続や契約締結のための面談等も省けて、業務効率化ができます。
- 契約書を電子化することで、いろいろな情報を付与できます。 理論的には、だれが契約書案を作って、誰が承認して、契約書締結化したのか、記録することも可能です。 理論的には、契約期間を設定しておけば、更新時期を知らせることもできます、 理論的には、業務管理ソフトと連動させて、お客様の商品説明、契約の締結、入金確認等の契約締結プロセスを管理することも可能です。
- 紙を管理する必要はありませんし、過去の契約書を一括で探すことも可能です。
3 自社のプロセスでのメリット
- 電子契約において、上記の目的を達成できるかは確認が必要です。
- 例えば、契約書以外でも会社のパンフレットを送る会社では郵送代を節約できません。
- コンプラインアンスの強化については業務管理ソフト等で管理する方法もあり、よくあるトラブルとその防止策の中でどんな方法がより適切なのか再検討が必要です。
4 電子契約のデメリット
- まだまだ電子契約が普及しておらず、取引先への説明が必要になる
5 導入目的の再検討
- 多少コストが増えても印紙代を節約するという目的にするなら、積極的な導入を検討してよいと思います。
- 「B to B」取引や継続的な取引をやっている会社では、全ての契約手続を電子契約に限るとする前提のもとに事務作業の効率化を目的として導入してもよいと思います。ただし、1割程度のお客様について、旧方式での契約締結を必要としてしまう場合には「業務効率化」というメリットを出すのは難しいと思われます。
6 他の手段の検討
- 導入目的が決まったら、最後に他の手段を検討してもよいでしょう。契約書を取り交わさずに、申込書だけで済ます会社もあります。
- 他の会社がどんな方法を使っているかリサーチすることは大切です。
- 例えば、ネット記事で検索しても電子契約のメリット・デメリットの記事は見つかりますが他の方法について記載したベージはほぼ見つかりません。
- ITに関するネット記事はIT業者の人が書いているために、ITに限定した考察がされています。
- 実際には社内で検討して、他の会社ではどんな方法を使っているか、その方法を使えないかもしっかりと検討した方がよいでしょう。
1 初めに
給与のデジタルマネーが法律上認められる見通しです。
2 給与
- 法律上は、給与は現金で従業員に手渡しする必要があります。 実務上は、給与は従業員の口座に送金されていますが、あくまで、例外的な取り扱いです。
- 今後、給与についてはデジタルマネーでの支払いが可能になる見込みです。
- デジタルマネーとは、、Suica、Edy、paypay、LINE Pay、楽天ペイなどのことをいいます。
3 給与をデジタルマネーで支払う意味
- デジタルマネーで支払えるところが増えてきました。今後は、給与がデジタルマネーで入ってくるようになれば、収入も支出も全てキャッシュレスで行えるようになります。
- 政府としてはキャッシュレス社会を推進しており、その一環となります。
4 デジタルマネーのメリット
- 送金手数料を安くできます。
- 銀行口座が無くても受け取れます。
- ATMに行かずに済みます。
- 電子マネーの場合、送金手数料を安くできます。例えば、従業員がパソコンで操作すれば、奥さんに送金でき、奥様がそのまま買い物で使う等も、新しいサービスとの組み合わせが容易です。
- 理論的には、電子マネーに情報を載せることができます。例えば、奥さんが旦那さんの給与の一部を飲み代には使えない等の制限をかけることも可能です。新しいサービスが今後期待できます。
5 企業としての注意点
- 現時点で、企業側として、給与をデジタルマネーで支払う必要性は薄いといえます。いろいろなサービスがでてきて、社員が利用したいという声が多くなればこれに対応する必要があります。
- しかし、デジタルマネーの解禁には企業のリスクがあります。まずは、デジタルマネーで給与を支払ったが、その会社が破綻した場合にどうするかという問題です。仮に、従業員から、「デジタルマネーの会社が破綻した場合には、企業は責任を負わない。」と書面での同意を得たとしても、多数の従業員の生活が脅かされれば、企業はこれを無視できません。
- さらに、口座に支払いませんので、本人確認の問題や、マネーロンダリングの危険があります。銀行口座に送金すれば、銀行が名義人の本人確認をしておりますので、その人に対し支払ったことが明白です。また、口座を通過しない金銭の流れが、マネーロンダリングに利用される可能性もあります。偽名で働く人が出来てくるかもしれません。 本人確認をしっかりしている限って、会社のデジタルマネーを利用する等の確認が必要になります。
6 今後のデジタルマネーの動き
- 現時点で、企業側として、給与をデジタルマネーで支払う必要性は薄いといえます。しかし、いろいろなサービスが出てくれば、これを無視することはできません。
お金のあり方が変わるかもしれないという面では、企業として全体的なデジタルマネーの動きにはウォッチチングが必要です。
- 送金手数料(海外送金)が安くなりますので、外国人労働者はデジタルマネーを喜ぶかもしれません。
- 例えば、従業員が申請すれば、月末に支払われる給与の70%は電子マネーで先払いしてもらえる、サービスもあるかもしれません。
- 従業員が、給与を管理するサービスもあるかもしれません。住宅費、食費、塾代等の使途の決まっているお金については、入金前から使い道が決めて、その分は使えない(引き落とせない)仕組みもあるかもしれません。資産運用や積立も一括で管理可能です。
- モチベーション維持として、社内ポイント制度(社員同士でありがとうの気持ちをポイントで渡したり成果を報償したりする制度)の一環で利用することも可能です。
- 従業員が立て替えた経費の精算の仕組みについてデジタルマネーで清算する仕組みが出てくるかもしれません。
デジタルマネーは送金手数料を低く抑えて、その他のシステムと連動させて自由なお金の移動を可能にする可能性があります。
- 例えば、商店街の街おこし的な使い方もあるかもしれません。ポイントであれば、110%で支払えて商店街で使える。商店街のお店で現金化できるが、その場合には100%に戻ってしまうので商店街で使った方がお得というのもあるでしょう。
- もちろん、デジタル給与で受け取れば、1~2%ポイントが付くサービスもありえます。
- 企業としては、従業員の利便性を考慮しつつ、リスクを考慮した対応が求められます。